更年期障害の症状-発汗、ホットフラッシュ、ほてり、イライラなど多彩

更年期障害の症状

 

更年期障害の症状更年期障害の症状は多種多様で、全身に現れますが、次のように分類することができます。二つ以上の症状が同時に出ることもめずらしくありません。

 

更年期障害が現れる期間は、閉経の前後の2〜3年から長くても4〜5年というのが一般的です。

 

精神神経症状

 

更年期障害のなかで、のぼせ、発汗に次いで多いのが不安感、不眠、イライラ、記憶力減退、疲労感、脱力感、憂うつ感、恐怖感、興奮といった精神神経症状です。

 

これらは総称して不定愁訴とよばれます。例えば、周囲の人の何気ない言葉が気にさわり、わめき散らしたかと思うと、次の瞬間にはなげやりな気持ちにとらわれるという人もいます。

 

血管運動神経症状

 

ホルモンのアンバランスによる自律神経失調症の代表的な症状はホットフラッシュとよばれる発作です。通常、頭痛に始まり、徐々に首から胸、あるいは背中が非常に熱く感じられ、どっと汗をかくことが多いようです。

 

かぜでもないのに、背中が冷や汗でじっとりとする場合もあります。寝汗も激しいために睡眠が妨げられ、不眠に悩まされる人もめずらしくありません。

 

化粧をしようとしたら、突然顔が真っ赤になり、汗が多量に出てきて、からだの中で何が起きたのだろうとびっくりしたという体験者もいます。

 

そのほか、腰や手足が冷え、息切れがする、血圧が高くなるといった症状が現れる人もいます。

 

消化器系症状

 

精神神経症状と関連して出現する便秘、嘔吐、悪心、下痢、食欲不振、腹部膨満感といった消化器系症状も多く現れます。

 

運動器系症状

 

肩こり、腰痛、筋肉痛などの運動器系障害に悩まされる人もめずらしくありません。筋肉の柔軟性が低下するために起こる症状で、いわゆる四十肩や五十肩がこれにあたります。

 

ドアの取っ手をひねったり、紙袋を下げると肘に痛みが起こり、安静にすると痛みが治まるケースもあります。

 

 

内分泌症状

 

エストロゲンは膣や子宮などを活性化する働きをもっているので、エストロゲンの減少によって、膣や尿道粘膜の萎縮による性交痛(性交障害)、膣の乾燥感、膣炎などが起こることがあります。

 

そのほか外陰部のかゆみ、乳房痛、月経不順、不正性器出血、おりものの増加などもしばしばみられます。性欲減退も内分泌障害に関連して起こると考えられています。

 

泌尿器系症状

 

尿道や膣は大腸菌などが侵入しやすいところですが、エストロゲンの分泌の盛んな若い時期には、その表面を覆っている粘膜の抵抗力が強く、雑菌が入ってもすぐに活動を低下させてしまいます。

 

ところが、更年期になりエストロゲンの分泌が少なくなると、粘膜の抵抗力が弱くなり、膀胱炎や尿道炎にかかりやすくなります。頻尿や排尿痛、残尿感、尿失禁などの症状が出ることもあります。

 

皮膚症状

 

エストロゲンの減少は、全身の皮膚にも影響を与えます。皮膚や口の乾燥、皮膚のかゆみ、むくみなどが現れる人もいます。

 

知覚器系症状

 

しびれ感、からだをアリがはうような蟻走感(ぎそうかん)、知覚過敏、知覚鈍感などがあげられます。

 

慢性症状

 

エストロゲンは骨のカルシウム代謝を促す働きがあるため、エストロゲンが減少する更年期以降は骨粗鬆症になりやすくなります。

 

また、コレステロールの増加もエストロゲンによって抑えられているので、更年期にはコレステロール増加による動脈硬化や心臓血管系疾患を引き起こしやすくなります。

 

 

ホルモンのアンバランスで起こる更年期障害の症状

 

更年期は、人によっては何も感じずに「気がついたら生理が終わっていた」という程度で過ぎていく場合もあります。しかし多くの場合は、更年期障害といわれる諸症状に悩まされることになります。

 

これらはひとつの症状が同じところに継続して現れるのではなく、不意に始まったり治ったり、日によって症状が変わったり、いくつもの症状が交互に出たりする不定愁訴として現れます。

 

更年期障害の原因には、卵巣機能の低下、社会的生活や環境の変化、精神や心理的要因、など大きく分けて3つの要因があると考えられます。

 

そのなかで一番大きな原因としては、女性ホルモンの分泌低下があげられます。

 

卵巣機能が衰えるために、そこから分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類のホルモン量が減ってアンバランスになり、そのために月経前に経験するような精神やからだの不調が断続的に現れるようになるのです。

 

この原因は血中のホルモン量を測ることではっきりと把握することができます。

 

一般に女性ホルモンであるエストロゲンの低下は「血管運動神経障害」といわれるホットフラッシュ症状を起こすことが知られています。

 

ホルモンの変化が自律神経機能に影響し、自律神経で調節されている血管の拡張や収縮がうまくできなくなって、「のぼせ」「ほてり」「発汗」などが起こりやすくなるのです。

 

したがってこれらの症状は、女性ホルモンの低下が本格的になる50代に多く現れるようになります。

 

これに対し「冷え」「視力減退」「疲れやすさ」「肩こり」「腰痛」「関節痛」などは血中ホルモンの量がそれほど低下していない40代から現れ始めます。

 

これらは精神的な要因で起こる典型的な不定愁訴で、全身のありとあらゆる場所に思いもよらない症状が出没します。

把握しにくい不定愁訴とクッパーマン指数

 

更年期障害の諸症状は、臓器や骨や筋肉などの機能には異常がないのに起こります。

 

これらはレントゲンやCT(コンピュータ断層撮影)などの検査では原因が見つけられません。

 

このような、数値や画像にはっきりと異常が現れない症状を診断することは、現代医学がもっとも苦手とするところです。

 

ですから、一昔前まではこういう不定愁訴は、「気のせい」「心がけしだいで治る」と片づけられてしまっていました。

 

更年期障害の研究が進んだ今でも、専門以外の医者にとっては診断がつけにくい症状なのです。

 

そこで、更年期障害の程度を数値で表して診断に役立てようという試みが婦人科の医師を中心に進められています。それが更年期指数です。

 

更年期指数は不定愁訴の種類とその程度別に点数をつけて、その合計点で更年期障害を判定する指標になるものです。

 

更年期指数を使った点数評価表でもっとも有名なのはクッパーマン指数というものです。